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ynkby's blog

正しく考えるというのは難しい

「自然エネルギー」について 老荘思想


世界の名著〈第4〉老子,荘子 (1968年)世界の名著〈第4〉老子,荘子 (1968年)
(1968)
不明

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『世界の名著』はもう廃止された。(姿を変えて中央公論新社から出てる)
このシリーズがすごいのは解説である。
この解説を集めて出版するのもよいのではないだろうか。
古くなったとはいえ、今でもかなり通用すると思う。
専門家は専門書を読めばいいわけだから。

本書の解説は、無為自然で有名な老荘思想の影響について触れている。
「自然」とは、依存せずに自ら為る状態とか、あるがままの状態という、一種の理想を表していた。
その思想が、まず中国仏教に影響を与えた。
中国で仏教が流行したのは、老荘思想が流行していた時代で、仏教経典を中国語に翻訳する時に、仏教は老荘思想から強い影響を受けたのだ。
そして、その経典が日本へ伝わった。親鸞に至っては「自然」を「阿弥陀仏」と同一視したらしい。

問題は、「自然エネルギー」は「阿弥陀仏エネルギー」かということではない。
少なくとも、「自然」とは、そのような歴史を背負った言葉、「良い」を含意させる言葉だということだ。
「自然」という語を使ってネーミングすると、良いを含意させることができる。
「自然体」は、理想的な良い体勢だ。
したがって、「自然エネルギー」は、良いエネルギーということになる。

良い悪いの含みを持たせたくないなら、「天然」という言葉を使うのがよいだろう。
例えば、天然資源(natural resource)である。
石炭石油という天然資源を使っているのに、火力発電が「自然エネルギー」でないのは、良いエネルギーではないからだろう。