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正しく考えるというのは難しい

ガリガリガリ君 『言える化』

 

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

 

 

本書は、ガリガリ君で有名な赤城乳業を紹介する。赤城乳業は奇抜なことをする会社で、ガリガリ君のコンポタ(コーンポタージュ)が例に挙がる。ガリガリ君の味は多彩で、これまで作られたのは80種を超えるらしい。

経営コンサル的には、本書は、題名の「言える化」を提唱するもので、赤城乳業は、そのケーススタディーといった位置づけとなる。言える化とは、組織の在り方として提唱しているもので、会社で下の者が上に対してガンガンものを言えるという企業風土にすべし、それが企業の強さにつながるという趣旨だ。コミュニケーションを強化しましょうということで、大企業病とか、悪い官僚的組織とかに対する処方箋。

赤城乳業は下の者が上にガンガンものを言うが、それがOKな風土をどのように作っているのかという点について書いている。

一。プロジェクト。部門横断的にメンバーを集め、縦割りを打破し、さらに重役は関係させず、若手に任せることで言える化を進める。二。評価制度。部下が上司を評価する制度をつくって、言える化を阻害する上司をどうにかする。

さらに、こういった制度を動かす魂として、誰もしていないことに挑戦する異端さを挙げる。これは、異端であることが言える化の条件ということか。そうだとすると、言える化したいなら、異端にならないといけないということになる。言える化できてる企業は異端なのかもしれないが。

それはともかく、赤城乳業は異端である。原因は社長だ。たぶん社長がこういう組織作りをしたのだ。社長の態度が若いやつの言うことでも最後まで聞くというものだし、ガリガリ君も社長が作ったようなところがある。

オイルショックを打破するため、50円で売れる新商品を考えろといいだしたのは現社長。それを受けて、片手で食えるかき氷が開発されたとき、名前がかき氷を食べる時の音「ガリガリ」に決まりかけていたところ、「君」をつけて「ガリガリ君」にしたのも現社長。

ガリガリ君のネーミングが、ガリガリ言うからというなら、同じく削るときの音からネーミングされ、つまりは兄弟みたいな関係にあるのがガリだが、数多く作られてきたこれまでのガリガリ君に、ガリフレーバーはあったのだろうか。

ガリの酸っぱさと辛さがアクセントを添えてくれるに違いない。生魚は体を冷やすが、ガリの成分は体を温めるらしい。アイスも体を冷やすだろうが、ガリの成分でこの問題も万事解決する。デザインは、桜吹雪みたいにガリが舞っているものにすればクールジャパンだ。そして、すし屋においておけばいい。普通のすし屋でもいいし、回転寿司屋で、ガリガリガリ君が回転していてもいい。