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ynkby's blog

正しく考えるというのは難しい

言葉狩りをするものは言葉を饅頭と考えているのか

 

ソシュールの思想

ソシュールの思想

 

 

箱の中に、饅頭が詰まっているとする。饅頭を一つ取り去ると、そこに饅頭のない隙間ができる。

では、箱の中に風船がぎゅうぎゅうに詰められているとする。風船を一つ取り去ると、残された風船が膨らんで、空いた隙間を埋める。

ある語がどのような意味を持つかは、他の語との関係に影響される。

「いぬ」という語と、「おおかみ」という語があって、それぞれ犬と狼を意味している。ここで、「おおかみ」という語を取り去ると、饅頭の場合にように、隙間ができて狼を意味する語がなくなるのかというと、そうではなく、風船の場合のように、「いぬ」という語が膨らんで、狼も意味するようになる。

ある語が何を意味するかは、自然法則のようなものによって各語個別に決定されるのではなく、行き当たりばったりで決まるし、近隣の語に何か起これば、すぐに影響を受けて、変化したりする。

とすると、

特殊部落という語の使用を禁止するとする。すると、饅頭の場合のように隙間ができるのではなく、部落という語が風船のように膨らんで、特殊部落も意味するようになる。そうすると今度は、部落という言葉を禁止し、特殊部落ではない部落を表現するのには、集落とか地区とかを使うことになる。

語は風船なので、ある語の使用を禁止すると他の語が成り代わって、禁止された語の表していた意味内容を表すようになる。

このようなことがあまり頻繁に起こると、語と意味の関係に混乱が生じるかもしれない。ことばの乱れというやつかもしれない。

しかし、意味内容とは関係なく、その語の響き、字面といったものに接することで、不快感とか、よからぬ感情が生じる、というのなら、その語を使用しなくなれば、そういった感情がその語によって引き起こされるということはなくなるのかもしれない。